春は、桜がいつ開花するか、もう散ってしまわないか、わくわく、そわそわ。どこにいても日本人です。日本では関西の方ならご存知かもしれない桜の名所・西宮の夙川沿いが中学と高校時代の通学路でした。
今回は私のウィーン市内のいつものお花見の場所と、ついにかなったヴッハウ渓谷のアプリコットの花を見にいった遠足についてです。
桜にはいろいろな種類があり地元のものも多いですし、日本から寄贈の木もあって、日本ほどではなくても、ウィーンでもあちこちで楽しむことができます。
まず、私の大好きな場所は19区の世田谷公園 Setagaya Parkです。ウィーン19区・デーブリング Döblingは東京の世田谷区と姉妹都市(地区)で、公園は1992年に造園されました。自然の斜面を使って水が流れ落ち、池には大きな鯉が泳ぎ、岸にお茶室もある日本庭園です。数種類の桜が順番に咲いて、少し遅れて行っても木蓮が華やかです。
ここのベンチに座って桜をゆっくり見た後で、少し歩いて古いケーキ屋・パン屋さんでお茶をして帰るのが、私のお気に入りです。
上記の世田谷公園へは毎年数回行くのですが、初めてはヴッハウ渓谷のアプリコット(杏 Marille)の花です。
ドナウ川のヴッハウ渓谷 Wachauは、ドナウ川沿いでも特別に景観が素晴らしく、文化や歴史も興味深いユネスコの世界遺産です。上流のメルクの修道院の見学と、ドナウ川の遊覧船が人気です。ワインが特別有名ですが、アプリコットの特別な産地でもあります。ここのアプリコットでジャムを作れば、素人の私のでさえとても美味しいので、毎年夏に仕入れに行きます(去年8月に記事も)。
花についてのきっかけは、もう7,8年前、国立歌劇場の立見に並んでいると、常連さんが「ついにヴッハウのアプリコットの花を見に行けた、満開だった、感激した」と話したことでした。それ以来、私もずっと花が咲いているところを見たかったんです。畑だから、一面、桜に似たアプリコットの花だろう!! 先週の日曜日(3/27)、ついに実現です!!
まずは国鉄でメルク Melkまで行き同じドナウの南岸を、バスで下流へ。観光ではあまり来ない側を友人が調べてくれました。
私にはこれも素敵なお花見です!! うれしぃぃぃぃぃい!!岸に沿って下流へいっぱい歩いて、途中からバスに乗って対岸のクレムス Kremsへ、そこからまた国鉄でウィーンに帰りました。
このころ、3月後半ですが、こちらではとても暖かい日が続きました。この後、私たちの遠足の直後に天気が崩れました。この冬は降水量が異常に少なかったので、森にも畑にも待望の雨です。でも、ちょっと寒くなりすぎ、これを書いている今日は雪さえ降りました(アプリコットの花を見た6日後)。果物の花が咲いてしまった後、気温が氷点下に下がると農家は心配です。もちろん私も。どうぞ、今年も美味しいアプリコットが実りますように!!! 井上 元子