ドイツ騎士団宝物庫

2022/03/09

ウィーン ドイツ騎士団 雑記 博物館

ドイツ騎士団の宝物庫で開催された見学ツアーに参加してきました。
十字軍の時代、聖地に向かう巡礼者の支援のために創設されたこの騎士団は、13世紀前半からこの場所に居を構えています。
ウィーンのこの建物には、ザルツブルク大司教の下で働いていた25歳のモーツァルトが滞在し(そしてクビになっ)たことでも良く知られています。

ケルントナー通りからの眺め。ドイツ騎士団の教会の塔が日光に照らされて輝いています。

 時間まで教会を見学しました。
十字架の絵が飾られているように見えますが、これは布です。四旬節の間(イースター前の40日)主祭壇のある場所(後陣)にかけられます。

 

さて、今回の見学ツアーでは、案内係の方がコロナ関連のトラブルで来られず、ドイツ騎士団総長自ら 説明して下さいました。
非常に小さい博物館ですが、さすがは長い歴史を誇るドイツ騎士団、見ごたえがありました。
ほんの一部を簡単にご紹介します。

蛇(竜)舌祭器台。
神秘的な力によって、近くの毒を判別します。これがあれば料理に毒が盛られても安心!世界に3つしかないうちの一つ。ここと、ウィーンの美術史美術館と、二つがウィーンにあります。しかしながら実際に機能したかは不明だそう(そうでしょう!)逆三角形の石が蛇(竜)の舌と信じられていましたが、本当はサメの歯の化石です。

この像はどう見ても犬に見えます。しかし、本来ドイツ騎士団のシンボルとしては狐のはずだそう。狐味を感じるにはかなりの想像力が必要・・・というような、クスッと笑ってしまうような軽くて楽しいお話もたくさんありました。
豪華な飾り時計!立派な宝石がたくさん飾られています。しかし、小さいガーネットなどは本物ですが、大きな宝石はガラスだそうです。盗難にあって代わりにガラスを代用したわけでもなく、最初からガラスだったそうです。
こちらの聖杯は年に一度の祭礼で実際に使われますが、美術の専門家にはその高い価値から「(痛むから)使用しないで欲しい」言われています。しかし、寄進した方は美術館の展示物としての寄進ではなく、ミサで利用するために寄進したわけだから騎士団としては年に一度利用したい・・・ふむふむ。色々な悩みがありますね。


中世に描かれた 聖母戴冠の絵画
聖母マリアが三位一体から冠を授けられている場面で、前面の女性が聖母マリア、後ろに並んだ3人の男性が三位一体(父なる神・イエスキリスト・精霊)です。この絵は神学的に禁止された表現が含まれていたので、長いこと展示が許されなかったそうです。どこが禁止されていたかというと、三位一体像が3人の男性に見えるのがダメ。精霊は人の姿で表してはいけないのだそうです。

 

いかがですか?
この他にも面白い展示物がたくさんあります!ぜひ、オーストリア国家公認ガイドと訪れてみてくださいね!