10月の秋のウィーンの出来事。

2021/10/31

ウィーンの季節 歳時記 雑記

ウィーンの秋と冬時間

どの季節も魅力的なウィーンは、美しい秋を迎えています。



私もお家に飾る秋の花を購入。咲くたびに切って一輪挿しの花瓶に入れ、眺めるのも楽しみの一つです。
今週の週末に夏時間が終了しました。1時間時計を戻して日本との時差も7時間から8時間になりました。さて、

10月のウィーンはどんな事が起こったのでしょう?


クルツ首相から交代した新しい首相は古い元貴族の家系シャレンベルク家から。

オーストリアで絶大な人気を誇るクルツ首相が、10月9日に辞任されました。他議員の汚職疑惑の関連捜査で携帯電話までもが没収され、(没収も法律違反ではと司法間でも揉めています。)書かれた他の政治家批判のメッセージまでマスコミにより公になってしまいました。携帯に多くの情報が残る現在、政治家だけでなく、誰でも自身の携帯が他人にさらされるなんて恐ろしい。。
代わりに写真の首相官邸に座っているのが外務大臣だったシャレンベルク氏です。
シャレンベルク家はオーストリア人なら誰もが歴史の中で聞いた事のある古い元貴族の家系です。ハプスブルク家が統治した領土に住んでいた多くの貴族の末裔は意外と外交官になっている方が多いんです。ヨーロッパ中に婚姻で繋がっている祖先の親戚も多く、数ヶ国語を話し上品でスマートにこなす中立的な立場を保てそうな方は国の代理人として外国でも無難なため、国家にとっても好都合なのです。
例えば、ハプスブルク家最後の皇太子の次男であるゲオルグ・ハプスブルク氏もハンガリー大使としてフランスにお住まいです。
ドイツ語では、悪口や人の意見に影響されずに無難にかわし、どちら側にもつかない様な
中立的関係を持てる外交官(Diplomat)の様な性格の人の事を

<あの人、diplomatisch (ディプロマーティッシュ)だからね。>
なんて表現します。

今後の新首相のご活躍をお祈り致します。



10月から美術史美術館で<ティチアーノ特別展>開催

ベネチアの画家ティチアーノ(1488−1576頃)特別展が、
10月から2022年の1月16日まで開催しています。
美術館前のチケット売り場が開き、特別展は別料金として売られています。時間も指定されるので気をつけて下さいね。

理想的な美しい女性の絵画が有名ですがブリューゲルと比較するとそれほど日本の方には馴染みがないよう。ただ、鑑賞してると、<あ、この構図どこかで見たことある!>とお気づきの方も多いと思います。15世紀に生きた画家は先輩画家から影響を受け、90年ほどの長い人生の中で多くの作品を残しました。影響を受けた、ルーベンスや、ベラスケスにマネと言った巨匠達がこぞって彼の絵を手本として描いています。探して見て下さいね。


BIOスーパーマーケットDenns

前回美術館でお土産のオーストリア産のはちみつについての記事を書きましたが、
最近の日本の記事に、日本で販売の一部の輸入されたはちみつの成分にグリホサート農薬の在留基準値が超えたものがあるという検査結果が書かれていました。ただ隣の国ハンガリー産は基準値超えはなかったようですね。
オーストリアでは、今年の5月にグリホサートは部分的に禁止となりました。禁止の場所は、プライベートの場所や公の公園、スポーツ競技場にお墓などです。
ただ、農業を営んでいる方の使用は認められています。実は、EUの法律ではまだ全面禁止を認めてないので、オーストリアでは全面禁止が出来ない、というわけなのです。ただ、全て禁止になるとコストも上がり、EU内の農業競争にオーストリアは不利になってしまいます。双方のバランスが必要な難しい問題ですね。
私も、ウィーンで多い町中のハチが植木鉢に集まってくるのを防ぐため、お酢や唐辛子、にんにくで作った無農薬の防虫剤を水で薄めてスプレーし、使用しています。これくらいのはちは、ウィーンでは当たり前なので殺さないで、他のお花に行ってもらえるように。
上の写真のように、BIO製品(有機栽培のオーガニックと日本で言われているもの)のスーパーは大人気です。自作作りが大変な方、興味がある方はこちらでどうぞ。

建国記念日10月26日から始まった気候に優しい年間定期チケット(KlimaTicket)

住みやすい都市ウィーンでは、ウィーンの交通機関がほぼすべて使用できる年間定期は一般で365ユーロ。(1ユーロ131円計算で4万7千815円)

別の区に住む友人や新しいお店も訪ねやすくてとても便利。今回販売が開始されたのは、なんとオーストリア全域のほぼすべての公の交通機関を使用できる年間定期です。どこに行くか旅行先を決めてなくても、この定期でバスも電車もスイスイ乗車できてしまう、チケット購入ストレスフリー!

お値段は、今日までの前売りが949ユーロ(12万4千319円)11月1日から1095ユーロです。なんとウィーン市も使用でき、年間定期を持っている人はウィーン市定期を返却すると、未使用の月の分を返金までしてくれるんです!年金者や25歳までの方、家族チケットも特別料金!早速多くの方が使用されているようで、乗車コントロール時に多く見かけます。

経済も新しい環境保護の方向で成長でき優しい世の中になるといいですね。

(とてもdiplomatisch!なコメントでしょ?