ザハ・ハディド建築にグラフィティが描かれた

2021/05/17

ドナウ運河 建築 散歩

ザハ・ハディドといえば、数年前急死した、 かなり奇抜なデザインで知られている現代建築スーパースターです。

あんまり奇抜すぎて「アンビルト(建たない)女王」などと呼ばれていたようです。

日本でも新国立競技場をめぐって騒がれていましたね。


ウィーンのザハ・ハディド建築第1号は、シュピッテラォ地区にある

通称「ザハ・ハディドハウス」です。


商店、飲食店、アトリエ、オフィス、アパート等が入居する多目的ビルとして、 2004 年 3月に建設が始まり、2005 年に完成しました。

ウィーン市もドナウ運河沿いのこの地域がおしゃれに生まれ変わることを期待していたようです。


ところがです、せっかく大物建築家を引っ張ってきたにもかかわらず、 借り手がなかなかつかなかったり、ついてもすぐに退去したり、 そのための経営難で管理会社が倒産したり。

こうなるとスプレイヤーと呼ばれる、あちこちに落書きスプレーを吹きかけ、 建物の美観を損ねる人たちがやってくるため、ますます悪循環。

このまま都市廃墟と化し伝説上の建物となりそうでした。

※今このブログを書くために何年かの確認をしようとウィキペディアをのぞいたら、 やっぱり「お化け屋敷」という表現がありました。ウィーン子も口が悪いですね。


新しい管理会社がこの建物を魅力的なものにしようと、昨年新しいプロジェクトを始めました。 昨年 2020年、世界が新型コロナでひっそりと狂騒状態にあるときに、 このザハ・ハディドハウスはグラフィティ新装して再デビューがはかられていました。




それがこれ





※ドナウ運河の対岸から見ると、上の2つのうち下の写真が上の写真の左手にきます。





ジャック・スパロウ船長だってびっくりなオオダコハウスです。

折り紙のハト(そんなのありましたっけ?)やカブトのようなものも描かれています。 オオダコとの関係性は不明です。





それよりコロナイヤーですからね。 人々の移動が大幅に制限されているときの再デビューはかなり厳しいものだったはずです。


近くに大学があり、そして駅近、モダンデザイン、何がいけないのでしょう?


中がどうなっているか、残念ながら入ったことがないので分かりません。 分かりませんが、確かに自分でも短期であれば住んでみたいな~と思うのですが (有名建築家の建物ですからね!)でも長年はどうかな~と。 これといった理由がないのですが、何故でしょう?  だからこそ都市伝説になりそう、と思うわけです。







このザハ・ハディドハウスは、文化財保護指定の建物をまたぐような形で建っています。




すぐ隣にやはり奇抜デザインのゴミ処理場(こちらはフンデルトヴァッサーによるものです) ぷらぷら散歩するには楽しいドナウ運河沿いです。





大渕元子