さて、年始の数日間、
コロナ対策のためウィーンの国立歌劇場(オペラ座)が
休演になりました。
こう読むと観客の感染を想像なさるかもしれませんが、
そうではなく、芸術家間の感染拡大を防ぐためでした。
ウィーンフィルも関係者の感染拡大により
海外でのコンサートを中止するなど、
芸術の分野にもコロナの影響が大きく出ています。
オーストリアでは大きく報道されていたので、もしかしたら
日本でもご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
私はこれまでロックダウン時以外に観劇がキャンセルになったことは
なかったのですが、先日、とうとう(ささやかですが)影響を被ることに
なりました。
ウィーン近郊、バーデンのシュタットテアター(市立劇場)
ミュージカル鑑賞での出来事です。
観劇の条件である、3回の予防接種とPCRテスト(陰性証明)を済ませ、
ウィーンから電車で20分ほどの美しい街、バーデンに行きました。
前日降った雪が昼間の暖かさで溶けたものの、日が落ちるなどで
気温が下がると再び凍結するので、道路は部分的にツルッツルです。
私は用心に歩きやすい靴を履きましたが、それでも転ぶのではと
ひやっとすることがありました。
時間までお散歩でもと思いましたが、外は氷点下でしたので、
素敵なカフェでお茶をしました。
こちらも、お店での飲食のためには3回の予防接種証明を提示します。
詳しくはバーデン散歩の記事に譲るとして、簡単にご紹介すると
バーデンは皇帝も滞在した温泉地。
小さい街ですが、建物は良く手入れされていて
カフェもたくさんあります。
さて、 そろそろ開演1時間前なので頃合いだと劇場に向かうと、写真のように
閑散としており、
建物の前には、若者が数人いるだけでした。
彼らはスポーティで暖かそうな服装で、あまり観劇という感じではなさそう。
あら、開場時間は 30分前だったかしらと確認すると、若者の一人より
「 中止になりました」
あららら。どおりで。
彼らは劇場係員で、知らずに訪れた観客に演目の中止と振替日を案内していたのです。
今回も、関係者の感染だったそうです。
前日の段階でホームページに中止のお知らせはありませんでしたので
中止は当日に決定されたのでしょう。
彼らのうちの一人によると、劇場側に電話番号が登録されていたお客さんについては
中止決定後に電話で連絡があったようなのですが、漏れがあり私には連絡が
ありませんでした。せめてメールをもらえたら良かったのですが。
(オーストリアではこのようなミスは良くありがちなので
こういう時はイライラしない方が得だと思っています)
結局、先ほど食べたケーキでお腹もいっぱいだったので、
特にお店に寄ることもなく、滑らないよう気を付けながら少しお散歩して
そのままウィーン行の電車で帰ってきました。
さて、私が今回得た教訓は
「観劇に遠出する際は、
当日出かける前や開演前に改めてホームページをチェックすべし」ということ。
今回のような連絡ミスもありますし、
地方の小さい劇場だと中止が報道されなかったり、されていたとしても記事が
小さい可能性があります。
バーデンはあまり遠くもないのでさほど痛手もありませんが、
移動に1時間も2時間もかかるような場合は、
中止の際の代替案を考えておくのも良いかもしれませんね。
それでは、みなさま、暖かくしてできるだけ健康にお過ごしくださいね。