11月11日は「聖マルティヌスの日」です(でした)。
聖マルティヌス(聖マーティン / 聖マルティン:表記方法にはいくらかゆれがありますが、 ウィキペディアではローマ風にマルティヌスとなっているのでこれでいきます)は、 ローマ軍人の家に生まれ、後にキリスト教へ改宗、トゥール(フランス)の司教を務めました。 カトリックのみならず、東方教会、イングランド国教会、ルーテル教会でも聖人とされています。
オーストリアでは各州に守護聖人がいるのですが、聖マルティヌスはブルゲンランド州の守護聖人 となっています。(ブルゲンランド州は約100年前までハンガリー王国領だった地域です。 聖マルティヌスが生まれたのは現ハンガリーのソンバトヘイあたりだそうです。)
聖マルティヌスの日にガチョウが食べられる理由ですが、 トゥールの司教となるよう要請されていたマルティヌスが(行く気になれず) ガチョウ小屋に隠れていたところ、ガチョウが騒いだために見つかったからという (俗)説がいちばんよく知られています。 さらに言うなら、ガチョウの食べごろは11月~12月というのも。
10年くらい前の話ですが、この「マルティヌスのガチョウ Martinigansl」を 聖マルティヌスの生誕地ソンバトヘイで食べようと出かけたことがあります。
ガチョウの旨み(脂)たっぷりのスープ
付け合わせがいくらか異なりますが、だいたい同じような見た目です。
要するに定番の組み合わせですね。
もう昼もだいぶ短くなりました。まだあと一ヶ月ほどは短くなり続けます。 どんよりした長い寒い冬に備えるためのカロリー(個人的には余ってます!) と暖かい羽毛布団を提供してくれるガチョウに感謝して全部いただきます。
聖マルティヌスの日は11月11日ですが、この季節モノのガチョウ料理は さすがにこの一日だけということはなく、10月下旬頃から11月いっぱい、 もしかすると12月初めまでの期間限定です。 この時期オーストリア、中央ヨーロッパへお越しの方はぜひお試しください。