ターフェルシュピッツ(Tafelspitz)とは?
オーストリアの代表的なお料理といえばウィーン風カツレツですが、フランツヨーゼフ皇帝が大好きだった牛肉の煮込み料理ターフェルシュピッツも人気のお料理です。数時間野菜と一緒に煮込んで柔らかくなったお肉は、通常炒めたじゃがいもと食べます。お客様と一緒にいると、このじゃがいもはどの方も美味しい!とおっしゃるようで日本の方のお口に合うようです。もちろん、煮込んだソースもスープとしていただきます。
日本の方に馴染みがないのは、りんごやコケモモなどの果物と西洋わさびのソースを付けて食べること。オーストリアは8月中頃から20度以下と急に温度が下がり、夜には薄手のコートがいるくらい寒くなったのでスープが恋しい時期。早速作って見ましょう。今回は、コケモモの代わりにスグリ(RIBISEL)を使用しました。
写真左下の赤の小さいつぶつぶがRIBISEL
まずはお買い物。
日本で売っているコンソメの素作りから始まります。
写真右のスープの材料の野菜は、すでにまとめて売っています。(1−2ユーロ)
お肉は、1キロ、スープ用のお肉は500g(ミンチやグラーシュというビーフシチュー用),あと骨。全部開けると少々グロテスクなので包んだままで。
お鍋の中
ターフェルシュピッツの作り方
お肉は下茹でし、新しいお水に入れアクを充分に取り終わったあとに、皮ごと焦がした玉ねぎと、皮を向いた野菜、ローリエ、黒胡椒をすらずに15個位入れ、小さな泡がぷくぷくする弱火で2−3時間煮込みます。その後、お塩、できればミネラルがしっかり入った良いお塩で(ハルシュタットや、免税店ワルツなどで高いお塩を買った方、それです。スーパーの1ユーロと明らかに味が違います。)味を整えます。
煮ている間に別の作業。じゃがいもを湯で、みじん切りした玉ねぎと炒めましょう。
もうひとつ、ウィーン人の主食パン、写真のゼンメルは数日で固くなります。再利用です。クヌーデルというお団子のようなお料理にも固くなったゼンメルは使いますが、今回は小さく切って別のお鍋に入れ、出来上がったスープをいれ少々ミルクを足すとおかゆのようなものが出来上がります。こちらに西洋わさびを投入。こちらもお肉に添えて一緒に食べますよ。
ゼンメルー写真の大きさをさらに半分以下に小さく切るのががちょうどよく、綺麗なサイコロ型でパン屋さんやスーパーにも売っています。
ターフェルシュピッツのスープと具
それではいただいてみましょう。
まずは、スープ。今回はレバー団子も一緒に。お肉コーナで出来上がったものを30分ほどコンソメのスープを入れた別の小さなお鍋で温め、少々苦手なので半分だけ。(体には良いでしょうの巻)一緒に煮た人参も食べますよ(こっちは大量。お肌の味方)
お肉も完成
薄く切ったお肉に、ゼンメルとじゃがいもを添えれば完成です。
ターフェルシュピッツのソースは3種類
白いオーバースクリームは生クリームにバターを入れて、小麦粉でとろみを加えたもの。
赤いRIBISELソースは、お砂糖と混ぜたジャム。(ジャムは旬の安い時期に砂糖と煮て瓶詰めしておきます。気分は赤毛のアンのマリラ。Netflix見過ぎ。)
りんごソースは皮を向いて色が変わらないようレモン汁の中にりんごをすり、お砂糖やお塩で味を整えますが、私はめんどくさいので皮もそのまますり、ちょっとレモンかリンゴ酢をいれています。(ですのでときに色が茶色に。味は手を抜いてもりんごが美味しいためバレません。)
このソースにはどれも西洋わさび(KREN)が入っており、お肉と一緒にいただきます。
え?意外と大変?それならぜひウィーンのレストランでご一緒に。