勉強会(2021年6月)
テーマ : ウィーンでコロナワクチン摂取
動機 : 日本でもコロナワクチン接種が進み、接種券が自宅に届き予約をするようですね。
コロナワクチンの摂取は自由意志です。私たち協会メンバーも
、早い決断で1度目の接種を受けた人もいれば考慮しながら予約を数週間後に控えた人など
お互いに新しいワクチンについての情報を交換しています。
この勉強会が、これからコロナワクチンを摂取する日本やオーストリア在住の皆様にも
少しお役に立つことができれば光栄です。
申し込み方法
ウィーンでは摂取希望者、又は企業がインターネット又は電話で直接申し込みます。
4月よりかかりつけの医師のもとでの摂取が可能となり、直接予約を取ることになっています。
ワクチンの種類
Pfizer, Moderna, Vaxzevria (AstraZeneca) とJanssen (Johnson&Johnson)のワクチンが
認められていますが、
現在はファイザー社のものが多いようです。
接種可能な市民
半年前からワクチン接種が始まり、6月7日の時点で摂取可能な国民の約半分に当たる
約390万人以上が、一度目の接取を終えたオーストリア。最近では毎日平均8万人の方が
摂取を受けています。高齢者やリスクの高い持病をお持ちの方、医療従事者や幼稚園や
学校で働く方、警察や軍人など計画的に進めてきたウィーンでは、現在57歳以上の方、
そして年齢に関係なくお客様と近い距離で関わる職種の自営業者や、
企業の予約も可能となりました。これにより、ガイド協会のメンバーも各々のタイミングで
予約を取り始めました。
写真は、会場の一つであるオーストリアセンターのある国連の駅です。
当日は保険証や予約証明書などの書類を持参します。リスク対象者の枠で予約の場合は、
年齢に関係なく早い予約が取れますので、医師の証明が必要です。
リスクグループに追加された
BMI30以上(体重を身長で2回割り、25以上が肥満とされています)の方も、
ちゃんとかかりつけの医師のもとで体重身長を測り証明を持参しなくてはなりません。
もちろん、当日はPCRテスト陰性証明の持参も推奨されていますが、
コロナとウィーンの記事を読んでいただいた方はご存知の通り、多くのテスト通りや、
自宅検査キット、薬局検査などの無料検査が可能ですから大きな問題ではありませんね。
大型のテスト通りが摂取会場に変わったウィーンでは、健康センターを中心に
現在は12箇所の摂取会場があります。申込みから接種が終わり
、待機(15−20分)の時間を含め、日によって、早いと30分、遅いと1時間30ほどで
摂取行程が完了してるようです。
接種者は会場で、
1)書類確認
2)本人証明を提示し、ワクチン接種パスへの記入を受け
3)医療関係者との問診表確認と同時に疑問点の相談もでき
4)カーテンで区切られたワクチン接種へ進み
5)待合室で15分ほど待機し終了です。
注意点は、腕の上の方が打ちやすいキツくない半袖を着ていく事。
筋肉注射は、ウィーンで定期的に接種するダニ予防の注射(ブログ記事にもありましたね)
が筋肉注射の為、私達は日本の方より注射自体には抵抗がない気がします。
体験談
協会メンバーが聞いた体験談です。気になる小柄な日本人体型と副作用についてですが、
ヨーロッパ人も小柄な方がいますよ。
女性の小柄とは155cm以下の方、
中柄は164cmまで
大柄は165cm以上、
男性の大柄は175cm以上ぐらいを参考にしました。
40代 大柄 女性 ファイザー 1度目の摂取で腕が上がらず倦怠感と頭痛
40代 大柄 男性 ファイザー 1度目は、腕が上がらず筋肉痛と頭痛。2度目の方がひどく
2日目に発熱、3日目に頭痛
40代 小柄 女性 アストラゼネカ 1度目の摂取で怠さ、発熱があり徐々に治まっていった。
2回目はひどい副作用なし
50代 中柄 女性 ファイザー 一度目の摂取で副作用なし
50代 中柄 女性 アストラゼネカ 1度目の摂取で怠さ、発熱
70代 小柄 女性 ファイザー 副作用なし。2度めの数週間後に帯状疱疹
70代 中柄 女性 モデルナ 副作用なし
70代 大柄 男性 モデルナ 1回目の症状はないが2回目で2ー3日目はベットに横に
70代 大柄 男性 ファイザー 2度とも副作用なし
70代 大柄 男性 ファイザー 副作用なし
70代 大柄 男性 アストラゼネカ 1度目の摂取で怠さ、発熱
日本とヨーロッパの情報媒体を比較しながら読んでいますが、
体型より年齢によって副作用に差がある事、日にちが経つにつれ治まっていくのは
どちらも同じですね。帯状疱疹(Gürtelrose)については倦怠感や頭痛ほど多くはありませんが、
地元の新聞社Kurierなどによると症例はまれにある記事が掲載されています。
今思うこと
写真は、ペスト患者を支えたミラノの大司教の名前 Karl Borromäusの名を取った
カール教会です。
私たちウィーンガイドは、ツアー中皆様にペスト(黒死病)などの疫病と戦った歴史や
記念碑を御紹介してきました。
コロナ期間に最もよく使われた一時的隔離(Quarantäne)という言葉は、
中世にベネチアでペスト感染者がいるかも知れない船を40日間(quarantena)
隔離させたことから、40日というベネチア方言を語源とし、
ドイツ語で今でも一時的隔離、検疫のことを、クワランテーネ(Quarantäne)
と言っています。私達はいつも過去から学んでいるのです。
下の写真は、ウィーンから夜行列車でも行けるイタリアのベネチアです。
コロナという新しい疫病と立ち向かい、当時と同じ立場に立った今なら、収束後の人々の様々な思いをもっと理解出来る気がします。