9月になると夏休みも終わって、学校も文化も新年度開始です。私はオペラ好きなので、オペラの新シーズン(2022/23年度)開始をご紹介しますね。
【国立歌劇場 Staatsoper】
シーズン初日に先立って、恒例の内部の見学会 "Tag der offenen Tür (Open door day)"がありました(9/4)。ファンなのに、行くのは初めてです。
舞台の上には行けるし、舞台衣装の人は歩いているし、歌手の控室、いくつかのプローベ(練習)部屋で、練習風景は見えるし。今度来る時は、事前に各お部屋のプログラムをチェックして、回る順番を決めておこうと。
その翌日(9/5)は、シーズン初日。予定は「ユダヤ娘 La Juive」の再演でしたが、1週間ほど前に連絡があり、事情で「ラ・ボエーム」に変更、しかも主役はアンナ・ネトレプコです。
ウクライナでの戦争勃発以来、彼女は初めての出演で、しかも開幕初日に当たり、政治的にはいろいろ話題になりました。が、観客席はほぼ暖かく歓迎ムード。彼女の当たり役でも、久しぶりに重たくないタイプの役を聴けたのは、ちょっと嬉しかったです。【フォルクス・オ-パ- Volksopert】
初の女性監督、ロッテ・デ・ベーア Lotte de Beer女史とスタートです。だからか、オペラハウス自身も優しい薄桃色に塗られました。
こちらの開幕(9/3)は、オペレッタの「デュバリー夫人Die Dubarry」で、主役のアンネッテ・ダッシュが注目です。ウィーンでは国立歌劇場でモーツァルト、バイロイトでワーグナーも歌う大物ですが、以前からフォルクスオーパーでオペレッタにも出演しているんです。私は公開ゲネプロ(最後の本番同様に行う舞台練習)をが観ましたが(9/2)、笑いがいっぱい、しなやかで、かわいい元気を感じるシーズン開始です。
【テアター・アン・デア・ウィーン Theater an der Wien】
こちらは200年と古い劇場の修復工事が少し前に始まりました。2年半かかるので、この秋から会場をミュージアム・クゥオーター Museums Quartierに移して、10月からスタートです。最初の演目は「賢い女狐」。配下の旧市街のカンンマー・オーパーは従来通りで、こちらも10月開始です。
この他の劇場、もちろんコンサートの会場も新シーズン開始です。またウィーンがウィーンらしくなります。 井上 元子