バーデンという名前のつく地名といえば、ドイツの温泉保養地バーデンバーデンがいちばん日本人には知られているかと思いますが、オーストリアにもズバリそのままバーデン Baden (英語では “bath” 相当)という名前の町があります。
ウィーンの南約30km、電車で約30分のところにある温泉保養地です。
そのバーデンが UNESCO の世界文化遺産リスト入りしました。堂々と「ヨーロッパの素晴らしい温泉保養地」リストの仲間入りです。(このリストに入っているのは「スパ」という言葉の元となったベルギーのスパ Spa や先ほど名前を出したドイツのバーデンバーデン、イギリスのバース Bath、フランスのヴィシー Vichy などです)
ウィーン中心部オペラ座前からバーデン中心部ヨーゼフ広場までバーデン線でのんびり小一時間かけて出かけると、町中に漂う硫黄の臭いに日本人は心が騒ぎます。思わずきょろきょろしてしまいます。町を歩いても温泉まんじゅう屋はありませんが(と書くと食べたくなりますね・・・)おいしいケーキ屋さんはあります。
皇帝家(ハープスブルグ家)も保養地としていましたので、小さいながらも風格のある建物・施設がある一方、ワイン産地として気取らないお店があったり、ウィーンからの小旅行を楽しむにはぴったりです。
ウィーンからほど遠くない保養地ということで、体調に異変をきたしたベートーヴェンも何度も保養に訪れています。あの第九交響曲(の大部分)を作曲したという建物は今は博物館として残っています。
ここでスパと観劇(コンサート含む)、おいしい食事を組み合わせたら、19世紀のブルジョワ、とまではいかなくても、それに近い気分です。夜はカジノもありますので、銀行の残高を確かめてからお越しくださいね。